鍵っ子
私は小学生。
新しい友達とは打ち解けて楽しく生活していた。
が、1番嫌いな時間。それは放課後。
今までは母子寮に学童がついていたので寂しくなかったが、今学校が終わって家に帰っても誰もいない。
いわゆる鍵っ子。
転校して友達ができたと言っても放課後遊ぶほど仲が良かったわけでもなかったし、遊んだとしても夕方になればみんな帰ってゆく。
20時頃にならないと2人は帰ってこないので、ひたすら2人の帰りを待つ。
そんな時に同じ団地の下の階に住んでいた男の子(1つ年下)と出会った。
階段で悲しそうな顔をしていると、うちで待ってれば?と言って気にかけてくれるようになった。
面倒見のいいお兄ちゃんみたいな男の子。
私はその子と一緒にいる事で寂しさを紛らわしていた。
少ししてこの男の子は引っ越していったけど、この子の存在のお陰で保たれた部分は大きかった。
寂しくても寂しいなんて言わない。
言ったらママが困るから。
ママだって離れたくて仕事しているわけじゃない。
3人で暮らしていくには働くしかない。
私が我儘なんて言ってる場合じゃない。
だから寂しくても悲しくても我慢していた。
その頃かな?
隣の席の男の子のお母さんが急に教室に乗り込んできて、、、私に怒鳴ったの!笑
『あなたみたいな子が〇〇に関わらないでちょうだい!!』なんたらかんたら〜て。
見るからに熱血モンスターペアレント系。
大人しそうな優等生タイプの子だったんだけど、私なにかしたかな?って。
小学生って悪気がなくても冗談言ったりして傷付けてしまう事もあるじゃん。
そういう感じかなと思ったけど、いくら考えても何が原因だったのかわからなかった。
そのお母さんは隣に並んでいた机を引き離して並べ直した。
衝撃と悔しさと恥ずかしさで頭がいっぱいになり、もうこの子と関わるのやめ、一切話さなくなった。
家に帰ってからママに相談してしようかと思ったけど、心配かけるので言えるはずもなく、、、
私が悪かったのかなって納得して、なかった事にした。
この辺りから複雑な感情が入り乱れ、初めてママに最悪な言葉を投げかけてしまった。
『何でうちにはお父さんがいないの!?』
『わたしなんて産まれてこなければよかった』など。
今思い出しても自分に腹が立つ。
小学生だからって言って良い事と悪い事がある。
そんな事なんでわかんないんだよ!って。
少しずつ自分の中で何かが変わっていった瞬間。